WEBレポート その3

旧盆行事としてのエイサーを楽しんで欲しい

 会場に鳴り響く三線、歌、太鼓のリズムに酔いしれ、その迫力あるバチさばきにチムドンドンするエイサーの季節がいよいよ到来!そこで今回は「沖縄全島エイサーまつり」実行委員会事務局の喜友名辰典さんに、エイサーにまつわるお話を伺ってきた。

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 今年で59回目を数える「沖縄全島エイサーまつり」は、「コザ市・エイサーコンクール」として1956年にその歴史が始まった。当時、商業都市として発展してきたコザ市は米国民政府による「オフ・リミッツ(米軍人・軍属・家族が民間地域へ出入りすることを禁ずる規制)」が布かれたことで混乱の中。そんな折、うちなーんちゅに勇気と活力を与えてくれたのがエイサーの存在だった。

 第1回大会は開催のわずか数週間前に実行委員会が立ち上げられた。開催の告知もままならないまま本番を迎えたにも関わらず、当日会場には3万人の人々が訪れ、会は大成功を収めたのだという。うちなーんちゅのエイサーに寄せる情熱と期待感を感じさせる出来事だ。
 この記念すべき第1回大会では、沖縄全島から選抜された9団体が出場。一定の審査基準によって審査され、その技を競い合うという「コンクール制」が導入された。しかし、各地域が誇るエイサーに順位をつけるということに疑問があがり、やがてコンクール制は廃止に。1977年からは「全島エイサーまつり」として開催されるようになった。
 「この時の過剰なまでの踊りの競い合いが、エイサー本来の“先祖供養”という目的を見失いかけてしまったような気がします」と喜友名さん。しかし、当時の青年会メンバーが工夫を凝らし、隊形や技、衣装などで競い合ったことが、現在のまつりの原形になっているのも事実だ。

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 そもそもエイサーは、旧盆で現世に戻ってくる祖先の霊を送迎するための地域の盆行事。それでも、地域のエイサーを見たことがない観光客などは太鼓を叩き、バチを振り、似たような衣装を着る「創作エイサー」が沖縄の伝統的なエイサーだと勘違いしてしまう場合が多い。長年エイサーに触れているうちなーんちゅでさえ、単に「旧盆に踊ること」として曖昧に記憶している人も少なくない。

 「エイサーの認知度を県外に広めたのは創作エイサーの功績が大きいということは、実際感じてはいます。でも、ただ踊ったり見たりするのではなく、エイサーの本来の目的を認識した上でエイサーに接して欲しいという思いがあるんです。このことを啓蒙していくことが私たち実行委員会の大きな使命であると同時に、青年会活動としての地域貢献にも繋がってゆくのかなと思っています」 喜友名さんはそう言葉を続けた。

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 各青年会がそれぞれのシマ(字)のエイサーに誇りを持ち、魂を込めて踊る。一見すると同じように見えるエイサーは、よく見ると太鼓の叩き方やバチさばき、足の上げ具合など実は1つ1つ違っていることに気づくだろう。
 先人たちによって継承発展してきた「沖縄全島エイサーまつり」。うちなーんちゅの迎恩の心が満ちた旧盆行事であることを今一度認識した上で、自分好みのエイサーを見つけてはどうだろうか。

 
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▲沖縄全島エイサーまつり実行委員会 事務局/喜友名辰典さん
自らも青年会に所属し、エイサーに情熱を注ぎ続ける熱い男。幼い頃、エイサーまつりの夜空に咲き誇った花火の美しさが今でも忘れられない、というロマンチックな一面も持つ。

 

 
文/前新道子 写真/前新直人

 

『第59回沖縄全島エイサーまつり』2014年8月15日(金)~17日(日)

初日 道じゅねー(胡屋十字路付近)18:20~21:00
中日 沖縄市青年まつり(沖縄市コザ運動公園陸上競技場)15:00~21:00
最終日 沖縄全島エイサーまつり(沖縄市コザ運動公園陸上競技場)15:00~21:00

チケット/S席前売り2,000円、当日2,500円 A席前売り1,200円、当日1,500円
     B席前売りなし、当日1,000円
プレイガイド/沖縄市観光協会、沖縄市体育協会(窓口販売)、ローソンチケット(Lコード86888)、
       チケットぴあ(Pコード626-953)、e+(イープラス)
問/社団法人沖縄市観光協会 ☎ 098-989-5566
※まつりに関する問い合わせ先は沖縄全島エイサーまつり実行委員会 ☎ 098-937-3986
Email/info@koza.ne.jp http://zentoeisa.com/


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